当社グループは持続可能な社会システムと持続可能な経済成長の両立が求められることを念頭に、グループ企業独自の環境技術を活用し、サステナブル社会に対応したトランスフォーメーションの実現を推進することで、環境分野においても「創り・育てるプラットフォームカンパニー」としての新たな成長フィールドを開拓していきます。
カーボンストック技術
飛島建設
伐採後の再造林を進めるには、低価格で流通しにくい曲がり材などを含めた木材の新たな需要創出が不可欠ですが、現在の再造林率は3~4割程度にとどまっています。一方で、南海トラフ地震など巨大地震の発生が想定される中、地震時の液状化対策も急務となっています。こうした課題に対応するために開発したのが「木材を用いた大規模炭素貯蔵技術」です。本技術では、丸太を割って薪状にした木材を束ねて形成した「木質コラム」を20mの深さまで打設し、緩い砂地盤を改良します。これにより、
- ❶ 曲がり材や多様な樹種を無駄なく利用できること、
- ❷ コラム内部の空隙による高い排水効果で液状化を抑制できること、
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❸ 木材に固定された炭素を地下に半永久的に貯蔵し、
CCS※を実現できること、
の3つの効果が期待されます。液状化対策工事1ha当たりCO2換算で4,200t(一般家 庭年間排出量の1,650年分)の炭素を貯蔵可能であり、森林資源の循環利用・防災・ 気候変動緩和を同時に実現する点が大きな特徴です。今後は、液状化対策と炭素貯蔵を両立する本技術の早期社会実装を目指し、「2050年カーボンニュートラル」社会、更にはその先の「カーボンネガティブ」社会の実現に貢献していきます。
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage):CO2回収・貯留
中小水力発電事業
飛島建設 / E&CS
再生可能エネルギーの一環として、調査・設計・建設・運営管理まで一貫して手がける中小水力発電事業に取り組んでいます。全国各地において、岐阜県中津川市、長野県安曇野市、山形県米沢市などに小水力発電所を自社で建設・運転し、地域の農業用水設備を改修・共用することで、地域インフラの再生と発電事業の両立を図っています。例えば、2021年4月に運転を開始した安曇野市の発電所は、最大出力約194kW、年間約113万kWh(一般家庭約350世帯分に相当)を供給しています。同様に、米沢市でも2021年11月から運転を開始するなど、地域の維持管理の負担軽減や発電収益の地域還元といった社会的メリットも重視しています。
水質環境保全
テクアノーツ
テクアノーツでは、潜水技術と水中ロボットを活用した「Aqua Engineering(アクア エンジニアリング)」を展開し、水中構造物の施工・保守や点検・調査を通じて安全で持続可能な水環境の維持に取り組んでいます。代表的な技術として、湖沼や農業用水域に繁茂する水草を効率的に除去する水草刈取船「Weed Hunter(ウィードハンター)」があり、水質悪化防止や生態系保全に寄与しています。更に、貯水池における底層水循環装置の導入により、酸素不足の改善や藻類発生抑制、栄養塩類の溶出防止など、水質浄化に大きな効果を発揮しています。これらの技術は、水資源の健全な循環と地域社会の安全・安心に貢献するとともに、持続可能な社会の実現に向けた当社グループの重要な取組みの一つです。
極東建設
極東建設の水中バックホウは、水中作業の効率化と潜水士の安全確保を目的に1983 年に開発されました。水中バックホウは、市販の陸上バックホウを水中環境で稼働できるように自社で改造・開発した水中施工の特殊機械です。潜水士が搭乗して、船上や陸上の発電機と支援ユニットからのケーブルにより稼働し、現在は耐水深は50mまで施工可能となっています。多数の水中アタッチメントも開発し、様々な工事用途に応じた水中施工も可能となっています。水中での油圧駆動は生分解性作動油を使用し、海水中で水とCO2を分解することで環境負荷の低減にも対応しています。また、国立研究開発法人と水中施工機械の作業性向上の技術研究も行っており、ICT技術を用いた無人化施工により、荒天の多い海域での急速施工や、近年の潜水士不足、高齢化対策にも貢献することができます。
