環境への取組み
飛島グループは持続可能な社会システムと持続可能な経済成長の両立が求められることを念頭に、グループ企業独自の環境技術を活用し、サステナブル社会に対応したトランスフォーメーションの実現を推進することで、環境分野においても「創り・育てるプラットフォーム・カンパニー」としての新たな成長フィールドを開拓していきます。
木材活用/脱炭素の推進
LP-LiC工法とLP-SoC工法による
カーボンストック飛島建設
樹木は、大気中の二酸化炭素(CO2)を光合成により吸収し、酸素を排出し、炭素を樹木として固定します。 樹木の生長は、大気からの二酸化炭素の減少そのものです。この自然の原理を建設に活用し、建設事業を推進しながら地中に森をつくり、温室効果ガスを減少させ気候変動緩和に貢献しようとするのが、カーボンストック技術です。
当社はLP-LiC工法(丸太を緩い地盤に打設し、地盤を密実にすることで液状化を抑制する工法)やLP-SoC工法(粘性土の軟盤に丸太を打設することで地盤の支持力を高め、地盤を補強する工法)による木材を大量かつ長期間使用する地盤改良技術の活用を通じて、軟弱地盤対策や液状化対策といった建設事業を行いながら、同時に木材の利用による炭素貯蔵効果により温室効果ガスを削減し、脱炭素の推進に貢献していきます。

大型分譲住宅地(千葉県)
木質耐火部材「LaG+WOOD®」の活用
飛島建設
飛島建設では株式会社シェルターとのOEM契約による木質耐火部材「LaG+WOOD®(ラグウッド)」を提供しています。飛島グループは2050年のカーボンニュートラルを目指して中高層木造建築物の建設を進めるべく「木造・木質化建築」(以下、木造建築)に対応する技術開発を積極的を進めています。木造建築は建築時のCO2排出量が少なく、木は炭素を固定し貯蔵する特性があるため、地球温暖化防止に貢献します。「LaG+WOOD®」の技術取得により、木造耐火建築の設計が可能となり、飛島グループの目指す中高層木造建築物の設計および技術開発をより一層加速させることで、「WOOD」を通じた人と社会のより良い未来を創造していきます。

LaG+WOOD®のイメージ
再生可能エネルギー活用
中小水力発電事業飛島建設
再生可能エネルギーの一つである水力発電は、日本の豊富な水資源を活用した環境負荷の少ないエネルギー源です。飛島建設では、建設工事とともに、自社発電事業として調査・設計から建設・運転管理に至るすべての開発プロセスを通じ中小水力発電事業に取り組んでいます。
地域のかんがい用設備を改修して小水力発電設備に活用することで、地域が将来負担する水路の維持管理費削減など、地域の様々な課題解決に貢献できるものと考えます。
開発にあたっては、地域の実情に応じて、農業インフラ再生などの地域支援や自治体との交流を積極的に進め、地域に喜ばれる事業として全国に展開していきます。

水車・発電機(定格出力136kW)
水質環境保全
底層水循環装置テクアノーツ
ダムなどの貯水池において、春から夏にかけて水温の上昇に伴い、貯水池の底層部では貧酸素状態により、栄養塩類やマンガンなどの溶出が顕在化し、様々な水質悪化問題を引き起こします。底層水循環装置は、気泡状の空気が空気揚水筒部を上昇する過程で、空気中の酸素を溶け込ませながら上昇流を起こし、上昇した水が再び底層部に戻ることで、底層部の貧酸素化を改善させる装置です。テクアノーツは、熟練した潜水技術を用い、底層水循環装置を貯水池に設置することで、藻類の異常発生を防ぎ、底層水の溶存酸素量の増加よる栄養塩類の溶出を抑制するなど、貯水池の水質浄化に貢献しています。今後も、様々な水質環境保全技術への取組みを通じて、安全・安心な水道水の供給に貢献していきます。

低層水循環装置
水中バックホウ極東建設
水中バックホウは、水中作業の効率化と潜水士の安全確保を目的に1983年に開発されました。水中バックホウは、市販の陸上バックホウを水中環境で稼働できるように極東建設で改造・開発した水中施工の特殊機械です。潜水士が搭乗して、船上や陸上の発電機と支援ユニットからのケーブルにより稼働し、現在は耐水深は50mまで施工可能となっています。多数の水中アタッチメントも開発し、様々な工事用途に応じた水中施工も可能となっています。水中での油圧駆動は生分解性作動油を使用し、海水中で水とCO2を分解することで環境負荷の低減にも対応しています。また、国立研究開発法人と水中施工機械の作業性向上の技術研究も行っており、ICT技術を用いた無人化施工により、荒天の多い海域での急速施工や、近年の潜水士不足、高齢化対策にも貢献することができます。

水中バックホウ